全国平均(10/18 時点)レギュラー169.7円ハイオク180.6円軽油159.2円 47都道府県の今日の価格 →

補助単価は25円上下し、店頭は0.3円 — 10月のガソリン相場

ガソナビ編集部 | 公開 2026年10月11日

9月3日に26.2円だった燃料油の支給単価は、9月17日に 51.0円 まで上がり、過去最高を更新しました。10月1日に50.7円、10月8日には 42.4円 へ戻っています。5週間で単価は25円近く上下しましたが、資源エネルギー庁の給油所小売価格調査によるレギュラー全国平均は、9月14日の169.9円から10月5日の170.2円まで、0.3円 しか動いていません。

先月ここで立てた見立ての答え

9月の相場記事では、10月の分岐は原油ではなく調整単価にあると書きました。毎週見直される変動分と違い、月ごとに固定される調整単価には政策判断が入るため、そこが縮めば卸の動きと無関係に補助が減り、店頭へ出てくるという読みです。

結果は逆向きでした。資源エネルギー庁が9月30日に発表した10月分の調整単価は 3.7円。9月の2.8円から0.9円増えています。縮小を警戒した部分がむしろ厚くなったので、10月の全国平均が170円台前半に留まったのは筋書きどおりです。「据え置きなら、原油が100ドルを回復しても170円前後に留まる」とも書きましたが、ガソナビの予測モデルが取得したドバイ原油は10月12日週で104.72ドル。100ドルを超えた状態で、全国平均は170.2円でした。

調整単価が月内で固定される以上、10月8日の8.3円の縮小は、すべて変動分から来ています。変動分は翌週の補助前価格を見積もり、170円程度の目安を超える部分を埋める仕組みなので、補助前価格の見通しが下がれば機械的に縮みます。言い換えると、10月8日の縮小は政策が支えを外した結果ではありません。

単価が上がった週も、下がった週も、8割の店は値札を変えなかった

ここからはガソナビの日次データです。単価が過去最高の51.0円に上がった9月17日を挟み、前の1週間(9月10日〜16日)と後の1週間(9月17日〜23日)の両方でレギュラー現金一般価格を追えた店は4,496店ありました。値下げしたのが628店、値上げが369店、残る 3,499店(78%)は1円も動かしていません。平均の変化は−0.26円です。

10月8日の縮小でも、反応はほとんど同じでした。

単価の変化前後で追えた店据え置き値下げ値上げ平均の変化
9月17日 51.0円へ拡大4,496店78%628店369店−0.26円
10月8日 42.4円へ縮小1,354店83%165店67店−0.20円

ガソナビ集計(2026年10月11日時点・高速SA/PAと廃業店を除く)。10月8日分は前を10月1日〜7日、後を10月9日〜11日で比べています。後の期間がまだ3日分しかないため店数が少なく、数週間後に届く値上げはこの表に入っていません。

単価が増えても値下げはほとんど起きず、減っても値上げはほとんど起きない。補助単価の数字が大きく揺れても、店頭から見れば「補助前の価格の揺れを補助が打ち消した」だけなので、値札を書き換える理由が生まれないのです。

10月の相場を下から支えているもの

それでも、170円を守るための負担は8月より明らかに重くなっています。ガソナビの予測モデルが取得した値を、9月の記事と同じ形で並べると次のとおりです。

週ドバイ原油USD/JPYレギュラー全国平均
9/7 週96.28 ドル156.25 円170.0 円
10/5 週102.25 ドル157.67 円170.2 円
10/12 週104.72 ドル158.25 円170.2 円

全国平均はモデルが各週の取得時点で得ていた最新の公表値です。原油は5週で8ドル余り上がり、円は2円安くなりました。どちらも仕入れコストを押し上げる方向です。報道ベースでは、9月にサウジアラビアの東西パイプラインがドローン攻撃で一時止まり、10月に入ってからもホルムズ海峡周辺でのタンカー攻撃や、米国によるイラン攻撃再開の観測が相場を支えています。モデルの10月12日週予測は前週比 0.0円 の横ばいですが、これは補助が今の厚みで続くことを前提にした数字です。

支給単価が8月下旬の26円台から40〜50円台に倍近く増えたことは、基金の減り方も倍近く速くなったことを意味します。9月1日に予備費から6,136億円が積み増されましたが、基金の残りが何週もつかは単価しだいで、単純な割り算では出せません。単価が高止まりするほど、次の積み増しか目安の見直しかという判断の時期は早まります。

11月に向けて見るべき2つの日付

1つ目は11月初旬の調整単価の改定です。10月は3.7円に増えましたが、11月に縮めば、卸の動きと無関係に補助が減るケースになり、その分は数週間かけて店頭に出てくる可能性が高くなります。2つ目は、170円程度という目安そのものです。7月には175円へ引き上げる案が報じられ、8月末に見送られました。目安が5円上がれば、補助の厚みとは関係なく店頭の着地点が5円上がります。

灯油にも同じ42.4円の単価がかかっているので、18L缶1つあたり約763円分の支えが入っています。暖房シーズンを前に灯油を買い置きする家庭にとっても、この2つの判断は同じ重さで効きます。灯油の季節変動そのものは 灯油の価格推移の記事 で扱っています。

全国平均が止まっている間に残る16円

全国平均が動かない月は、店ごとの差がそのまま給油代の差になります。ガソナビ集計(2026年10月11日時点・レギュラー現金一般価格・直近14日以内に更新・高速SA/PAを除く47都道府県8,223店)では、安い方から1割の水準が 158円、高い方から1割の水準が 174円。自分の県の中央値より5円以上安い店は全体の 14.7% で、7店に1店ほどあります。

県単位で見ても差は残ります。同じ集計で30店以上ある42府県のうち、平均が最も安いのは和歌山県の160.2円、最も高いのは長野県の173.2円で、開きは13.0円でした。補助単価が25円動いても値札が0.3円しか動かない以上、相場の行方を待つより、県内で入れる店を選び直す方が確実に効きます。地域ごとの最新の相場は 都道府県別価格ページ で毎日更新しています。補助単価の週ごとの推移と51円の意味は 補助金51円の記事 にまとめています。


データの出典: 支給単価と調整単価は資源エネルギー庁「中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置」の公表値(10月8日以降分は同庁特設サイト、10月1日〜7日分と10月の調整単価は9月30日の発表)。全国平均は資源エネルギー庁「給油所小売価格調査」の公表値。原油・為替・翌週予測はガソナビ forecast モデルの取得値(10月12日週分は2026年10月11日取得)。店舗ごとの価格変化と価格分布はガソナビ集計(2026年10月11日時点)です。

よくある質問

Q. 10月8日からのガソリン補助単価はいくらですか?

1Lあたり42.4円です。10月1日〜7日の50.7円から8.3円縮みました。軽油・灯油・重油も同じ42.4円/Lで、航空機燃料は33.9円/Lです。単価は資源エネルギー庁が毎週見直し、店頭での値引き額ではなく石油元売りなどへの支給額です。

Q. 10月の調整単価はいくらになりましたか?

3.7円/Lです。9月の2.8円から0.9円上がりました。調整単価は月ごとに固定されるため、10月中の支給単価の増減はすべて毎週見直される変動分から生じます。10月8日の8.3円の縮小も変動分によるものです。

Q. 補助単価が8.3円縮んだのに、なぜガソリンは値上がりしないのですか?

現行制度は全国平均170円程度を目安に、補助前の価格との差を埋める変動型だからです。補助前の価格が下がる見込みなら、単価は自動的に縮みます。ガソナビが10月8日の前後で価格を追えた1,354店のうち、83%は1円も値札を変えず、平均の変化は−0.20円でした。

Q. 11月にガソリンは値上がりしますか?

ガソナビの予測モデルでは10月12日週は前週比0.0円の横ばいです。11月の分岐点は、11月初旬に改定される調整単価と、170円程度という目安そのものが維持されるかどうかです。原油の水準より、この2つの政策判断の方が店頭への影響は大きくなります。

Q. 今、安いスタンドと高いスタンドでどれくらい差がありますか?

ガソナビ集計(2026年10月11日時点・レギュラー現金一般価格・直近14日以内に更新・高速SA/PAを除く47都道府県8,223店)では、安い方から1割の水準が158円、高い方から1割の水準が174円で、差は16円でした。自分の県の中央値より5円以上安い店は全体の14.7%あります。

関連記事

データソース: 経済産業省資源エネルギー庁「石油製品小売市況調査」(週次)、 ガソナビ独自の補正済み平均価格(全国 約 30,000 店舗を毎日集計)。 集計・補正の方法は価格データの考え方で公開しています。