ガソリン価格は原油・為替・補助金・季節要因で動きます。本記事ではガソナビの forecast モデル(実績 + 予測)と公開統計をもとに、2026 年 5 月時点のガソリン価格動向と、今後 1〜3 ヶ月の見通しを整理します。
現状サマリー(2026 年 5 月)
ガソナビが集計した全国平均価格(資源エネルギー庁・4 月 27 日公表分):
- レギュラー: 169.7 円/L(4 月 27 日時点、3 週連続値上がり)
- 軽油: 159.0 円/L(レギュラー −10.7 円)
- ハイオク: 180.5 円/L(レギュラー +10.8 円)
- 過去 90 日のレンジ: 167〜191 円(3 月中旬の急騰局面を含む)
- 直近のトレンド: 急騰局面後の戻り基調が一服、169 円台で安定化
最新の forecast モデルは 5 月 4 日週・11 日週ともに +0.1 円の flat 見通し を出しています。軽油の暫定税率廃止(4/1 〜)の段階反映と、OPEC+ 6 月増産合意により下振れ要因がやや増えた状態です。
最新の数値は 都道府県別価格相場ページ で日次更新されています。
価格を動かす 3 要因(5 月版)
1. 原油価格(ドバイ原油)
直近の Dubai 原油は 約 109 ドル/バレル(forecast モデル取得値)。3 月の急騰局面(一時 100 ドル超え)から 4 月中旬に 90 ドル台へ落ち着いた後、再び 105〜110 ドル帯に戻しています。
5 月の注目ポイント:
- OPEC+ が 6 月の生産枠拡大で合意(増産方向 → 原油下落要因)
- 米イラン戦闘停止 2 週間の継続状況(停戦延長なら下落、再燃なら上昇)
- ホルムズ海峡の通航量正常化ペース
価格への影響度は概算で:
- ドバイ原油 +10 ドル → ガソリン +5〜7 円(1〜2 ヶ月遅れ)
- ドバイ原油 −10 ドル → ガソリン −5〜7 円
2. 為替(USD/JPY)
直近の USD/JPY は 156 円台。3 月の 159 円台ピークから 3 円ほど円高方向に戻していますが、150 円割れの強い円高はまだ見えていません。
価格への影響度:
- 円安 +5 円(156→161)→ ガソリン +2〜3 円
- 円高 −5 円(156→151)→ ガソリン −2〜3 円
5 月の日銀金融政策会合・FOMC のスケジュールに応じて短期的なボラティリティが出る可能性があります。
3. 補助金 + 軽油暫定税率廃止
燃料油価格激変緩和補助金は 2026 年 5 月時点も継続中で、レギュラー 1L あたり 35〜40 円 の引き下げ効果があります。政府は全国平均 170 円程度の抑制を目安としており、現状はその水準でほぼ均衡しています。
段階的縮小 が引き続き議論されており、夏場以降の主要なリスク要因です。詳細は 補助金記事 を参照。
軽油については 2026 年 4 月 1 日に暫定税率(17.1 円/L)が正式廃止 されました。理論的には軽油が 17 円下がる計算ですが、5 月初旬時点で 159 円台と限定的な反映に留まっています。流通在庫の入れ替わりに伴って 5〜6 月にかけて段階的に下落余地があります(詳細は 軽油暫定税率廃止の影響)。
今後 1〜3 ヶ月の見通し(5 月版)
3 つのシナリオで考えます。前回 4 月版から、OPEC+ 増産と中東一旦鎮静化を反映してベースケースの軟化方向を強めています。
ベースケース(確率 50%)
- 原油: 105〜110 ドルで横ばい、6 月の OPEC+ 増産で年央に 100 ドル割れ
- 為替: 154〜158 円のレンジ
- 補助金: 現状維持
- 軽油: 暫定税率廃止分の段階反映
→ 5 月: 168〜170 円レンジで推移、6 月以降に −1〜3 円のじわり軟化。GW 明けに小幅軟化、梅雨入りで安定。軽油はレギュラーより先行して下落しやすい。
上振れシナリオ(確率 25%)
- 原油: 米イラン戦闘再開で Dubai 115 ドル超え
- 為替: 円安再加速で 160 円台
- 補助金: 6 月以降に縮小開始
→ 1〜3 ヶ月で +5〜10 円。5 月後半から 6 月にかけてじわり上昇、夏場の遠出需要と重なって 175〜180 円帯へ。
下振れシナリオ(確率 25%)
- 原油: OPEC+ 増産が前倒しで実施、Dubai 95 ドル割れ
- 為替: 円高 150 円台
- 補助金: 現状維持
→ 次月 −3〜−5 円、3 ヶ月で −5〜8 円。5 月中旬以降に値下がりが顕著、6 月には 165 円台へ。軽油は更に先行して 153 円付近まで。
季節パターン(5 月の特徴)
過去 5 年の傾向から、5 月の月内動きには以下の特徴があります:
| 期間 | 傾向 |
|---|---|
| 5 月上旬(GW) | 連休前の駆け込み需要で月内最高、GW 中はサービスエリアが特に高め |
| 5 月中旬 | 連休明けで需要が一旦剥落、−1〜2 円の軟化局面 |
| 5 月下旬 | 梅雨入り前で安定、6 月の方向性を見極める待機相場 |
つまり「GW 直後(5 月 8〜15 日あたり)が 5 月の狙い目」。サービスエリアでの満タンは避け、平日のセルフ給油で節約効果が大きくなります。
アクション提案
- GW 後半の長距離移動: 出発前に最寄りの安値スタンドで満タン。サービスエリア給油は 5〜10 円高くなりがち
- 5 月中旬の値下がり期を狙う: 月後半まで待てるなら 5 月 10〜15 日頃のセルフを狙う
- 軽油ユーザーは下落の先行を見逃さない: 暫定税率廃止分の段階反映で、レギュラーより先に値下がりが進む可能性
- アプリでエリア最安値を継続チェック: 全国平均より自エリアの実勢価格の方が節約効果が大きい
まとめ
- 5 月時点のレギュラー全国平均: 169.7 円(4 月 27 日 METI、3 週連続上昇後の高止まり)
- 軽油 159.0 円、ハイオク 180.5 円
- forecast モデル: 5 月 4 日週・11 日週ともに +0.1 円の flat 見通し
- 注目イベント: OPEC+ 6 月増産、軽油暫定税率廃止の段階反映、米イラン停戦の継続
- 季節パターン: GW 明け 1〜2 週で軟化、梅雨入り前は安定
- リスク要因: 中東情勢再燃(上振れ)、補助金縮小開始(上振れ)、OPEC+ 増産前倒し(下振れ)
この記事は 月次で更新 しています。最新の予測は本記事の更新版を、リアルタイム価格は 都道府県別価格ページ をご覧ください。
よくある質問
Q. 5 月のガソリン価格は上がりますか、下がりますか?
5 月時点の予測モデルでは前週比 +0.1 円のほぼ横ばい見通しです。OPEC+ が 6 月から増産で合意したため下振れ要因が増えており、ベースケースでは 168〜171 円のレンジで推移と見ています。
Q. GW 明けに価格は下がりますか?
季節パターンとしては GW 直前の駆け込み需要が剥落し、5 月中旬以降に −1〜2 円程度の軟化が見込まれます。ただし原油が現状の 105〜110 ドル/バレルから下がらない場合、軟化幅は限定的です。
Q. 軽油の暫定税率廃止は反映されていますか?
軽油引取税の暫定税率(17.1 円/L)は 2026 年 4 月 1 日に廃止されましたが、現時点ではまだ全額が小売価格に反映されていません。5 月以降は段階的に下振れ余地があります(詳細は <a href="/blog/light-oil-tax-removal-2026/">軽油暫定税率廃止の影響</a>)。
Q. 中東情勢で原油はまた上がりますか?
4 月後半に米イラン 2 週間の戦闘停止・ホルムズ海峡通過再開で原油は一旦鎮静化しました。ただし停戦終了後の動向次第では Dubai 原油が 110 ドルを超える局面もあり得ます。発生時はガソリンに 1〜2 ヶ月遅れて +5〜10 円の上昇圧力。
Q. 補助金はいつまで続きますか?
燃料油価格激変緩和補助金は 5 月時点も継続中で、ガソリンには 35〜40 円/L の引き下げ効果があります。段階的縮小が議論されており、夏場以降に縮小が始まると 5〜10 円の押し上げ圧力となります。